毎月、商品をご購入いただいたお客様に、商品と一緒にお届けしている「お米通信」。
ブログでもご紹介しています。
4月号(4月9日発行)の担当は、佐藤可奈子さんです。
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春が来ました。
雪がまだまだ大地にかぶさる池谷集落も、あたたかい陽気に包まれ、少しずつお米づくりの準備も始まってまいりました。
この度、集落の皆様のさつまいもで作った干し芋も、無事に完売いたしました。お買い上げいただいた皆様、本当にありがとうございました。
去年よりさらに倍以上増やした干し芋ですが、たくさんの人の手に渡り、いろんな旅をし、いろんな人に出逢った干し芋を思うと、とても嬉しいです。

こちらの干し芋は、干す作業は(お米のお客様のなかにはご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが)、私の前に分校に住んでいた籾山さんが勤める、茨城県の農業実践学園で行なっております。
この冬は私も農大に勉強に行かせていただきましたが、農業を通して、地域を超えて交流と学びあいを続けることができ、そして今もできることを通して池谷を見守る籾山さんとの会話からは、ハッとさせられることがあります。
住むだけが村人じゃない。今も支え見守り協働するいち村人として。
そんなあたたかい眼差しには、毎回背筋の伸びる思いで、私も励まされます。
むかし、ボランティアで来てくださっていた方が「私は移住できないけど、お米を買うことで村人」とおっしゃっていたのを思い出しました。むらの形は、思いの数だと気付かされた出来事でした。
小さなむらだからこそ、日本中に村人のような存在の人たちがいること、待ってくださる方がいることは、とても心の支えになります。
ひとり、山のなかで草刈りをし、そしてひとりで荷台に座って一服し、風にあたり、ぼうっとセミの鳴き声を聞きながら波打つ稲穂を眺めていると、ふと寂しいというより、そんなあたたかい気持ちになります。
さて、ぽかぽか陽気のなか、今日は「塩水選(胚乳:お米が芽を出すために必要な栄養源が籾のなかにたっぷり詰まったいい種籾と、塩水に浮き上がる軽い種籾を選別すること)」と苗を育てるための土の「土合わせ」の作業を橋場さんとしました。
一緒にするのはもう7回目ですが、毎年心踊る一番最初の作業で、とても楽しく、妙にテンションが上がります。移住したての頃は嬉しすぎて、たくさん写真を撮ったなぁと、懐かしい気持ちになります。
少しずつお米を育てる準備が進んでいくにつれ、出産前に娘のためにお洋服を用意したり、部屋を片付けて娘のスペースをつくったり、布団を用意したり、そして私自身も娘がちゃんとストンと産まれてくるようにスクワットしたり歩いたり…と、まだ見ぬ娘の姿を想像して、娘を迎え入れる準備をしていたときのワクワク・ドキドキ感と重なります。
ぜひ今年も、村人となった気分で、このお米通信を通して、むらの米作りを見守り、一緒に新米までのワクワク・ドキドキを共有できれば幸いです。皆様にも素晴らしい季節が始まりますように!
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